目次
潜在能力とは?
「潜在能力を発揮する以前に潜在能力の意味が理解できません。潜在能力について教えてもらえないでしょうか?」
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 潜在能力っていったい何なのか?
- 潜在能力の種類と資質
- 潜在能力を言葉で理解する
本記事の信頼性
専門学校卒業後、私は小さなIT会社に入りました。その後、転職を2回行い現在の一部上場企業へ入社しました。一般職層からキャリアアップを行い、研究開発部門の部長という役割を担っています。ここまでキャリアアップ出来たのも潜在能力を活用しているからです。
潜在能力を活用できるようにするためには、潜在能力を理解する必要があります。潜在能力にはどのような種類と意味があるのかを知ることから始めて理解を進めて行く必要があります。
潜在能力と聞いただけではピンとこない方も多いと思いますので、まずは言葉の理解から入っていきましょう。
潜在能力って一体何なの?
人は普段生活を行う上で意識的に判断して行動する『顕在意識』と、判断せずに無意識に行動する『潜在意識』、大きく分けて2つの意識を使って生活しています。人は自分の意識の95%を無意識、つまり、潜在意識が占めていて残り5%が顕在意識となっています。言いかえると、人が生活をしていく上で95%は無意識であるという事です。この95%の無意識を活用することが出来ると未来が見通せたり、突発的な事象に悩むことをなくすのは無理でも限りなくゼロに近い状態に低減することが出来ます。つまりこの無意識の活用こそが、『潜在能力を発揮』することで、潜在能力を発揮した先には、未来を計画したり予想したり、あるいは事象をコントロールすることが出来るようになります。
95%を占める潜在意識ですが、有名なところで46種類に整理されています。まずはこれらを確認していき理解を深めます。
潜在能力の有名どころ合計46の資質
経済産業省が提唱している「社会人基礎力」で定義されている潜在能力12種類と、「ストレングスファインダー®」で分類されている34種類が有名です。それぞれ種類は異なりますが経済産業省が提唱している潜在能力は日本の産業の人材強化にフォーカスした潜在能力で、ストレングスファインダー®が扱う潜在能力は、過去30年間にわたり、分野を問わず傑出才能を持つ人、延べ200万人以上の調査結果から強みのパターンを抽出している潜在能力となります。この46種類が潜在能力の全てというわけではありませんが、有名どころのこの潜在能力の意味を知って基礎を整えて行きましょう。
社会人基礎力で定義される潜在能力3種類と12資質
「人生100年時代」や「第四次産業革命」の下で、2006年に発表した「社会人基礎力」はむしろその重要性を増しており、有効ですが、「人生100年時代」ならではの切り口・視点が必要となっていました。こうした状況を踏まえ、平成29年度に開催した「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」において、これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力を「人生100年時代の社会人基礎力」と新たに定義しました。社会人基礎力の3つの能力/12の能力要素を内容としつつ、能力を発揮するにあたって、自己を認識してリフレクション(振り返り)しながら、目的、学び、統合のバランスを図ることが、自らキャリアを切りひらいていく上で必要と位置づけられます。
出典:経済産業省
潜在能力3種類と12要素
前に踏み出す力(アクション)
『一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力』や『指示待ちにならず、一人称で物事を捉え、自ら行動する力』と定義されています。特に社会に出て解決していく課題は正解が一つではない事がたくさんあります。その課題に向き合う姿勢が非常に重要になってきます。また、これらの課題に対峙した時に人に指示されて行動に移すばかりでは成長にはつながらないため、主体的に行動して一歩踏み出す。失敗しても達成するまでやり方を変えながら継続するといったアクションが必要になります。自分1人では解決することが難しいような課題にはチームメンバーを巻き込んで組織で解決していく方向にもっていくことも重要です。
働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
実行力:目的を設定し確実に行動する力
考え抜く力(シンキング)
『疑問を持ち、考え抜く力』や『自ら課題提起し、解決のためのシナリオを描く、自律的な思考力』と定義されています。これは先ほど説明した前に踏み出す力につなげる準備段階や踏み出している最中(実行中)に必要になるスキルです。考え抜く力とは、何事にも疑問を持って抜け漏れダブりなくロジカルに考え抜く力のことを指します。改善をするために、課題を見つけて、課題解決のためにプロセスを考えることです。考えるだけではなく、納得がいくまで考え抜くことができる自律的な考え方が求められます。
考え抜く力に必要な要素は下記の通りです。
創造力:新しい価値を生み出す力
計画力:問題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
チームで働く力(チームワーク)
『多様な人々とともに、目標に向けて協力する力』や『グループ内の協調性だけに留まらず、多様な人々との繋がりや協働を生み出す力』と定義されています。昨今ダイバーシティという言葉も浸透しているのでお分かりだと思いますが、多様な人々とのつながりや協働力を生み出す力が求められています。社会に出て解決する課題は個人で解決できるものが少なく、チームで協力して課題に対応する必要があります。チームで協力して課題に対応するにあたり、メンバー同士の考え方の違いなどを受け入れた上で成果を発揮するために必要となる能力です。
傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
規律性:社会のルールや人との約束を守る力
ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
ストレングスファインダー®で定義される潜在能力4種類と34要素
「実行力」、「影響力」、「人間関係力」、「戦略的思考力」の4つの領域(34の能力要素)から構成されています。過去30年間にわたり、分野を問わず傑出才能を持つ人、延べ200万人以上の調査結果から強みのパターンを抽出して、潜在能力を最大限発揮するために必要な個別化された要素を米国ギャラップ社がストレングスファインダー®として定義しています。
潜在能力4種類と34要素
実行力
「実行力」の資質が高い人は、物事を実現させる能力にたけるので、アイデアを発展させて現実化できます。そして、目標に向かって努力を怠らず、チームの高いパフォーマンスを支えます。
実行力の9要素
達成欲 | :並外れたスタミナがあり、旺盛に仕事に取り組みます。自分が多忙で生産的であることに、大きな満足感を得ます。 |
アレンジ | :多くの物事を整理し組織化することができると同時に、この能力を補完する柔軟性も備えています。すべての要素と資源をどのように組み合わせたら、最高の生産性を実現できるのかを考えるのが好きです。 |
信念 | :核となる普遍的な価値観を持っています。これらの価値観は、彼らの人生に明確な意義をもたらします。 |
公平性 | :あらゆる人を平等に扱う必要性を確信しています。明確なルールを定め、それに従うことで、世界のすべての人を公平に扱おうとします。 |
慎重さ | :決定や選択を行うときに細心の注意を払います。あらゆる道のりには、危険や困難が待ち受けていると考えています。 |
規律性 | :日課や身のまわりを秩序立てることを好みます。世界は自分の考えた秩序で説明できると考えています。 |
目標志向 | :目標を定め、その目標に向かってまい進し、目標達成に必要な修正を行うことができます。優先順位をつけてから、そのとおりに行動します。 |
責任感 | :一度やると言ったことに対して、心理的に責任意識を持ちます。正直さや忠実さなどの普遍的価値を大切にしています。 |
回復志向 | :問題を解決するのが大好きです。どこに問題があるのかを探りあて、それを解決することに長けています |
参考:クリフトンストレングスの「実行力」分野 | JA - ギャラップ (gallup.com)
影響力
「影響力」の資質が高い人は、物事を実現させる能力にたけるので、アイデアを発展させて現実化できます。そして、目標に向かって努力を怠らず、チームの高いパフォーマンスを支えます。チームがアイデアを売り込んで他者を説得する必要がある場合にこの潜在能力を活用すると、チームがリーチする対象を大きく広げて、チームの目標達成を助けるように他者を仕向けることができます。
影響力の8要素
活発性 | :アイデアを実行に移すことにより結果をもたらします。単に話すだけではなく、いますぐ実行することを望みます。 |
指令性 | :存在感があります。状況の主導権を握り、決断を下します。 |
コミュニケーション | :一般的に自分の考えを言葉に表すのが得意です。話術に優れ、物事を印象的に説明するのが上手です。 |
競争性 | :自分の進歩を他の人と比較します。コンテストで勝つために、相当な努力をします。 |
最上志向 | :個人や集団の卓越性を高める手段として、強みに注目します。優れたものを最高レベルのものに変えようとします。 |
自己確信 | :自分の能力と判断力に自信を持っており、リスクを冒すこともあります。まるで、自分が正しい方向へ進んでいることを教えてくれる羅針盤が体内に備わっているかのようです。 |
自我 | :大きな影響を与えることを望んでいます。独立心に富み、組織や周囲の人々に与える影響の大きさに基づいてプロジェクトに優先順位をつけます。 |
社交性 | :知らない人と出会い、惹きつけ味方につけることが大好きです。見知らぬ人と打ち解けて親しくなることから満足感を得ます。 |
参考:クリフトンストレングスの「影響力」分野 | JA - ギャラップ (gallup.com)
人間関係力
「人間関係力」の資質が高い人は、個人をまとめて、チームを単なる個の集合より優れたものにできるため、チームの高いパフォーマンスを支えます。チームがより強化して団結を必要とする場合にこの潜在能力を活用すると、グループをまとめて、成功を共有できるように活性化できます。チームを団結させるまとめ役となります。
人間関係力の9要素
適応性 | :流れに沿って進むことを好みます。「今」を大切にし、それぞれの時点で進む方向をひとつずつ選択することにより、将来を見極めます。 |
運命思考 | :あらゆる人や物事は互いに結び付いていると考えています。この世に偶然というものはほとんど存在せず、ほぼあらゆる出来事には何らかの意味が存在すると確信しています。 |
成長促進 | :他の人の持つ可能性を認識し、それを伸ばします。小さな進歩の兆候を見逃さず、成長の証に満足感を得ます。 |
共感性 | :自分を相手の状況に置き換えて考えることにより、相手の感情を察することができます。 |
調和性 | :意見の一致を求めます。意見の衝突を嫌い、異なる意見でも一致する点を探ります。 |
包含 | :相手を受け入れることができます。人の輪から外れている人に注意を払い、そのような人を輪に入れようと努力します。 |
個別化 | :一人ひとりが持つユニークな個性に興味をひかれます。異なるタイプの人たちの集団をまとめ、生産性の高いチームを作ることに長けています。 |
ポジティブ | :情熱的であり、しかも自然にその熱意を人に分け与えることができます。生き生きとしており、他の人たちに活気を吹き込み、やる気を起こさせることができます。 |
親密性 | :他の人たちとの緊密な関係を楽しみます。目標達成のために友人と努力することから、大きな満足感を得ます。 |
参考:クリフトンストレングスの「人間関係力」分野 | JA - ギャラップ (gallup.com)
戦略的思考力
「戦略的思考力」の資質が高い人は、良い意思決定のための情報を吸収して分析できるので、チームの高いパフォーマンスを支えます。
戦略的思考力の8要素
分析思考 | :物事の理由と原因を追求します。状況に影響を与える可能性のあるすべての要素を考慮に入れる能力を備えています。 |
原点思考 | :過去について考えるのが好きです。歴史をたどることにより、現在を理解します。 |
未来志向 | :未来と未来にできることを心に描くことで、ひらめきを得ます。未来についてのビジョンを語ることで、人々にエネルギーを与えます。 |
着想 | :新しいアイデアを考えるのが大好きです。見た目には共通点のない現象に、関連性を見出すことができます。 |
収集心 | :収集や蓄積を必要とします。その対象には、情報、アイデア、人工物だけでなく、人間関係も含まれる場合があります。 |
内省 | :知的な活動に多くの時間を費やします。内省的で、知的な議論が好きです。 |
学習欲 | :学習意欲が旺盛で、常に向上を望んでいます。結果よりも学習すること自体に意義を見出します。 |
戦略性 | :目的に向かうための選択肢を想定することができます。いかなる想定に直面しようとも、適切なパターンと問題点を直ちに予測することができます。 |
参考:クリフトンストレングスの「思考力」分野 | JA - ギャラップ (gallup.com)
まとめ
今回ご紹介した内容で潜在能力が言葉でなんとなく理解できたと思います。社会人基礎力でもストレングスファインダーでも共通していますが、潜在能力には「実行力」、「思考力」、「人間関係」に関する3つの能力が入っており、どことなく似たようなものを指していることが分かれば良いです。今回の記事はあくまでも言葉で潜在能力を理解するための基礎です。今後の記事で実例を交えながらこの潜在能力の活用方法や能力の鍛え方について解説していきます。そこでこれらの能力についても解説を加えながらブレークダウンしていきたいと思います。
今回は以上です。