潜在能力の発揮

俯瞰とは?

俯瞰とは?

「よく俯瞰するとか全体俯瞰という言葉を聞きます。上司から視座が低い、もっと全体を俯瞰してから仕事をしろと言われるのですが意味が理解できません。俯瞰について教えてもらえないでしょうか?」

こんな疑問にお答えします。

本記事の内容

  • 俯瞰するとはいったいどういうことなのか?
  • 身近なイメージで俯瞰を理解する

本記事の信頼性

オガタロー
この記事を書いている私は、時価総額2兆円を超える一部上場企業の研究開発部門長。専門学校卒業という学歴ながら潜在能力を活用して人生を好転させてきました。 今回は、潜在能力とあわせて使う事で実行に移す前の課題整理などに活用できる俯瞰について、イメージを使って説明していきます。

 

専門学校卒業後、私は小さなIT会社に入りました。その後、転職を2回行い現在の一部上場企業へ入社しました。一般職層からキャリアアップを行い、研究開発部門の部長という役割を担っています。ここまでキャリアアップ出来たのも俯瞰する力を活用しているからです。

俯瞰する力を活用できるようにするためには、俯瞰する力を理解する必要があります。俯瞰と聞いただけではピンとこない方も多いと思いますので、まずは言葉の理解から入っていきましょう。

 

俯瞰とはどういうことなのか?

まずは言葉の定義の確認です。

俯瞰
ふ‐かん【俯瞰】
高い所から見おろすこと。全体を上から見ること。鳥瞰。
⇒ふかん‐さつえい【俯瞰撮影】
⇒ふかん‐ず【俯瞰図】

(出典:広辞苑)

言葉を確認すると、「高いところから見下ろして景色全体を上から見る」ことのようです。しかし、私たちがビジネス等で使う俯瞰とは今取り組んでいる事象、これから取り組む事象など、物理的な俯瞰ではありません。

イメージを理解するのは難しいですが、身近な事例で使って理解度を深めていきたいと思います。俯瞰を理解するために上から見た景色からアプローチするのではなく俯瞰していない状態から徐々に視座を上げて行くことで俯瞰すると見えるものが変わってくるという感覚が得られます。そのため、この記事ではボトムアップのアプローチで俯瞰について解説していきます。

 

身近なイメージで俯瞰を理解する

今回俯瞰を理解する題材として、健康診断のデータを使って説明します。

俯瞰を学ぶ事例現在45歳。何かと健康には気を遣っています。お酒が好きで育児がある程度落ち着いてきた頃からお酒の量が増えてきました。そんな私のデータを確認しながら俯瞰を学んで行きます。

また、本事例では目標を設定することで俯瞰することで何が変わってくるのかを体験してもらいます。

事例の中で設定する目標健康診断データを確認して健康になるプランを立てる

それではボトムアップのアプローチで俯瞰について題材を用いて解説していきます。

 

44歳時点の健康診断データ

上のグラフは44歳の時の体重、尿酸値、中性脂肪、γ-GT(P)です。どうでしょうか、このグラフからどのような情報が分かりますか?

  • 体重:約65Kg
  • 尿酸値:約9
  • 中性脂肪:約80
  • γ-GT(P):40

これらが情報から分かります。では、この情報を使って目的である”健康診断データを確認して健康になるプランを立てる”ことは出来そうでしょうか?この情報だけでは具体的に何をして健康プランを立てれば良いのか分かりません。

では、少し視座を上げてデータを確認します。

 

20代後半~44歳までの健康診断データ

さて、上のグラフは20代後半から44歳までの体重、尿酸値、中性脂肪、γ-GT(P)をそれぞれ時間軸でグループ分けしたデータです。このグラフを確認すると先ほどよりも情報量が増えた事が分かると思います。

  • 体重:右肩上がりで増加しており、20代と40代では最大8Kgの差がある
  • 尿酸値:右肩上がりで増加しており、30代と40代では最大2~3mg/DLの差がある
  • 中性脂肪:39歳の時に突発的に値が急上昇している
  • γ-GT(P):右肩上がりで増加しており、38歳以降は40mg/DLよりも下がったことがない
  • 関連性:39歳の時にγ-GT(P)と中性脂肪、体重も跳ね上がっている

このように、時系列情報を加えてみると特徴や関連性が見えてきました。これらのデータを使うと、44歳のスナップショットのデータとは異なり、”健康診断データを確認して健康になるプランを立てる”ことは出来そうですね。

ただし、ここまでの情報には自分の変化や自分だけの視点しか入っていないことが分かります。

仮に健康プランを第三者に説明するとした場合、「私は20代のころは尿酸値が最大でも7程度でした、だから44歳時点から2mg/DL下げたら健康になります!」と説明したとしましょう。おそらく周りで聞いている方々の納得感は得られません。なぜならば、20代の数値が健康的であるかどうかの判断ができないためです。ではどうすればそういった判断ができ、第三者の納得感も得られるでしょうか?説明したいデータの外部の情報を入れてみるとさらに見え方が変わってきますので、さらに視座を上げてみましょう。

 

20代後半~44歳までの健康診断データに外部の基準を入れる

尿酸値、中性脂肪、γ-GT(P)のデータに対して外部の基準(物差し)を入れてデータを確認していきます。なお、これまで扱ってきたデータに身長を入れておらず、説明に使用するデータに対して明確な基準を設定できない体重は除いています。

20代後半の時から44歳までの、尿酸値、中性脂肪、γ-GT(P)に対して、健康の基準となる閾値を赤線で追加しました。ここまで情報が広がると具体的な目標が設定できて、計画や打ち手まで立てることが出来そうです。

目的:健康診断データを確認して健康になるプランを立てる

目標:半年で尿酸値を3ポイント、γ-GTP10ポイントさげ、それぞれの項目の基準値中心まで減少させる

どうでしょう、それぞれ見る範囲が変わり、その範囲で見えているものをつなげていくと何を実行すれば良いのか明確になりました。

 

まとめ

今回の記事では俯瞰を説明するために、ボトムアップアプローチで視座を上げていくと違った見方が出来るという感覚を養えたのではないでしょうか。一朝一夕で俯瞰の力を備えることは難しいと思いますが、帰納法、演繹法、ロジックツリー等、ロジカルシンキングの中でもロジックを繋ぐ思考を鍛えていくことで俯瞰の力はさらに向上していきます。

俯瞰に慣れるまでは、帰納法、演繹法、ロジックツリーなどを日々の仕事などで使い情報をつなげる練習を心掛けてみて下さい。

そうすることで、俯瞰する視座の高さが自然と調整できるようになり、いざ情報を分析して活用する段階になったときには無意識のうちにトップダウン思考で物事をとらえることが出来るようになっていることでしょう。

以上です。

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