QUESTION
転職活動って企業の方がイニシアチブを取って進めている気がしてストレスがかかる。
何社受けてもなかなか受からないし、嫌になってくる。
たしかに転職活動には大きなストレスがかかります。ストレスを少しでも低減させるため、活動を優位に進める方法を説明します。
目次
転職活動者の方が実は優位
転職活動中の方が陥りがちな罠ですが、「企業の方が有利なんでしょ?」と勘違いしていることです。
こうしたマインドで転職活動を行うと、結局は準備を怠り、企業にペースを握られてしまいます。
これは、日ごろから採用面接をしているとよく感じることです。
大抵のパターンは、面接の時に「なぜ弊社でなくてはならないのですか?」というやり取りから入り、話を掘り下げるとすぐにボロが出てしまうもしくは上辺だけ取り繕うというケースです。
こうしたケース、企業、選考者お互いにとって不幸な結果となります。
数うちゃ当たるなんていうのは幻想です、しっかりと仕組みを理解して情報を活用することこそ希望企業の内定を勝ち取る近道です。
「転職活動って企業よりも自分の方が有利だ!」というポジティブなマインドにすることで、自分のペースで転職活動を行う事が出来るようになります。
では、転職活動でイニシアチブを取る方法について説明していきます。
欲しがることしかできない企業/与えることができる転職活動者
まずは転職に向き合うマインドについて説明します。
次にあげる思い込みをひとまず頭の中から消しましょう。
- 転職活動は企業と人の2つの間で成り立っているという思い込み
- 転職という行動を自らが起こして受け入れてくれる会社を”一方的に探す”という思い込み
応募やエントリーといったワードが企業の方が有利という錯覚をもたらします。
この錯覚に陥ると、焦り、ストレスに繋がり、転職活動で思うように実力を発揮できなくなります。
次の2例を見て、あれ?実は自分の方が有利かも?というマインドを醸成してください。
1.カレーライスを食べたいお客とカレーライスを提供できるお店
企業をAさんという人に置き換えて解説します。
ある昼休み、Aさんは、特定の素材が入ったカレーライスを無性に食べたくなりました。
お昼休みになったので、Aさんはカレーを食べようと色々な店に特定の素材を使ったカレーが提供できるか、聞いて回りますが、いつまでたっても見つかりません。
そうこうしているうちに昼休みが終わってしまい、Aさんはカレーを食べ損ねてしまいました。
カレーを食べるどころか、昼ごはんを食べるという機会まで損失しましたね。
なお、この話の中の特定の素材というのは、募集要項に記載のある保有スキルや必要知識をイメージしています。
つぎに転職活動者を特定の素材が入ったカレーを提供できる店に置き換え、Aさんが特定のカレーを探していることを知っていたとしましょう。
- Aさんがあなたのお店の前にたどり着いた時には、Aさんが食べたい特定の素材が入ったカレーをすぐにでも提供することができる
- 昼休みが終わるころにAさんの会社の前でカレーをもって待ち構えることができる
Aさんのことを良くわかっていると、あなたはAさんにカレーを提供することができます。
あなたが情報を先取りしていたことで、Aさんは昼休みのうちにカレーを食べて午後からも仕事に打ち込むことが出来るというわけです。
1のケースでは、Aさんは無事にカレーを食べることができましたね。
2のケースでは、会社を出てすぐにカレーがあるわけですから、Aさんの昼休みの時間を節約するという付加価値までつけることが出来ています。
いずれにしても、店側の行動によって、WinWinの関係が出来上がりました。
このように需要と供給と機会(タイミング)があらかじめわかっていると、イニシアチブを取ることが可能となるのです。
ポイント
口を開けて待つだけしかできない企業よりも、欲しいものを好きなタイミングで与えられる選考者の方が優位。
2.企業の内部事情は開示されていない
募集の背景には、人材が揃わないとプロジェクトが成功に結び付かないのかもしれませんし、将来への先行投資かもしれません。
どういった理由があるのかは分かりませんが、募集している人材がいないと困るのは企業なのです。
仮に、この困りごとをそのまま募集要項に書こうものなら、完全に売り手が優位になるでしょう。
また、企業の台所事情がオープンになってしまうケースや機密性保持の観点から、企業はこういう情報は表には出しません。
つまり、企業にとって不都合な情報など、内部事情は開示されないのです。
ポイント
企業が人を募集するのは目的が人を採用することではなく、採用した人に担ってもらいたい理由が他にある。
転職活動中に理由が理解出来れば、転職活動のペースを握ることができる。
企業と選考者の関係性、実は選考者の方が有利だという事が理解できたのではないでしょうか。
ただし、このバランスは選考者と同じ行動をとる第三者によって崩されます。
転職活動は自分と企業の2者だけで話が進んでいるわけではありません。
他にも同じように転職活動をしている競争相手となる第三者が必ずいるので企業、競争相手、自分の三者間の情報を整理することが大事です。
実際に優位に立つための分析方法
1.分析前の準備
転職活動は少なくとも企業と自分の情報を整理して分析する、余力があれば第三者も含めて整理・分析することが攻略の近道です。
実際にそんなことできるんでしょうか?
答えはYESです。
準備するもの
- A4ノート
- 筆記用具
- 応募したい企業の募集要項
- 競合のペルソナ(テクニカルスキルに関しては自分よりも1.2倍くらい強いペルソナにしておく)
2.情報整理のための作業
やり方は簡単です。
A4のノートを広げて左のページに企業を、右のページを上下2分割に線を引き、自分を上に競合のペルソナを下に書いて下さい。
1.A4ノートの左のページに企業情報をまとめていく
情報収集
エントリーしたい企業が上場企業やスタートアップ・ベンチャー企業なら情報収集は簡単です。
Webページから企業情報(長期計画、有価証券報告書、IR情報など)を抽出します。
また、業界の競合他社(n数が多いにこしたことはありません)などの情報も整理できればなお良いでしょう。
中小企業の場合でも、エージェントや口コミサイトなどの情報を収集するなどの方法があります。
2.ノートの右のページに自分と競争相手情報をまとめていく
テクニカルスキルは自分よりも1.2倍高いペルソナを準備いただいているので、テクニカルスキルだけで勝負すると競争に負けることが一目瞭然ですね。
テクニカルスキル以外の強みをしっかり整理しましょう。
テクニカルスキル以外で企業が欲している世の中のスキルについてはこちらの記事で解説しています。
3.整理した情報を分析する
ノートに書いた強みが、企業にとってどんな価値をに繋がるのかをしっかりと考えていきます。
募集要項とは関係のない強みが出てくると思います、それらをしっかりと自己PRに記載して面接にのぞむようにしましょう。
情報を整理して分析する際には、3C分析 → SWOT分析を使うと分析結果を解釈しやすくなり、転職活動に対する戦略を導き出すのに役立ちます。
ポイント
- 転職活動を優位に進めるには3C分析、SWOT分析が有効
- 競合の情報は募集要件をもとにペルソナを作ることで、テクニカルスキル以外の強みをPRすることに気づける
- テクニカルスキル以外の差別化要素をしっかりとまとめておく
転職活動は情報を分析することでイニシアチブを取ることが出来る
情報をいかに活用するかにより、結果が大きく変わってきます。
また、企業 vs 転職活動者の構図ではなく、
企業 → 受け入れたい → 出来るだけ良い条件 ← 入社したい ← 競合する第三者 or 自分
の構図です。
競合する第三者と自分が横並びであることが分かりますよね? 競合する第三者と自分の差別化ポイントをしっかりと整理することが重要です。
意外と見落としがちですが、ここを見落としてしまうと、面接時に第三者との差別化をアピールできずに失敗してしまうので、テクニカルスキル以外の自己分析をしっかり対策しておきましょう。